葬儀の場を彩る花には、それぞれに「意味」と「理由」があります。
なかでも、胡蝶蘭(こちょうらん)や百合(ゆり)は長年にわたって選ばれてきた、“別れの花”の代表格です。
今回は、この2つの花がなぜ葬送の場にふさわしいとされているのか、その背景と花言葉、印象面を含めてご紹介いたします。
■ 胡蝶蘭(こちょうらん)――「尊さ」と「旅立ち」を象徴する花
その名の通り、蝶が舞うような美しい姿が特徴の胡蝶蘭。
白く大きく、やわらかく開く花は、まるで魂が天に舞い上がるような静けさと気高さを感じさせます。
- 花言葉:幸福が飛んでくる、純粋な愛、尊敬
- 見た目の印象:気品があり、場を厳かに保つ白さと静寂
胡蝶蘭は、派手すぎず、でも特別感のある花として、多くの弔花・供花に選ばれています。特に白い胡蝶蘭は、宗派を問わず幅広く使用できることから、無宗教葬やお別れ会にも最適です。
また、花もちが良く、式の前後数日間も美しい状態を保てることから、**「長く見守ってくれる花」**としても重宝されています。
■ 百合(ゆり)――「純粋さ」と「深い祈り」を宿す花
ユリは、その存在感と香りから、古くから神聖な場に用いられてきました。
白いユリは特に「純粋」「無垢」「再生」といった意味を持ち、故人の人生をたたえながら、静かに寄り添う花とされています。
- 花言葉(白いユリ):純潔、無垢、威厳、永遠の愛
- 見た目の印象:凛とした美しさと、ゆるぎない静寂
ユリは大きく開いた花びらと品のある香りで、厳粛な雰囲気を演出する力があります。
女性のご遺族から「母らしさがあって良かった」「上品で本人にぴったりだった」といった声をいただくことも多く、人生を美しく閉じる花として親しまれています。
「人季」では、葬儀の形式やご予算だけでなく、故人のお人柄やご家族の想いに寄り添いながら、花のご提案をさせていただいています。
