春と秋、年2回あるお彼岸には、お墓参りをしたり法要をおこなったりと、ご先祖様と向き合う方が多いのではないでしょうか。
期間
2025年の秋のお彼岸は
9月20日(土)〜 9月26日(金)です。
ご先祖さまに感謝を伝え、心穏やかに過ごす大切な期間。 お墓参りやお仏壇のお掃除など、日頃の想いをお届けしましょう。
お彼岸の由来
日本古来の慣習として根付いているお彼岸の語源は、仏教用語です。
仏教では、私たちがいる煩悩に満ちた現世を「此岸(しがん)」、悟りの境地であるあの世の世界を「彼岸(ひがん)」と呼びます。「此岸(しがん)」と「彼岸(ひがん)」の間には川が流れているとされており、この川がいわゆる「三途の川(さんずのかわ)」なのです。
仏教において、お彼岸はこの世とあの世、つまり此岸と彼岸がもっとも近くなる期間とされています。 お彼岸にご先祖様をしのび供養することで、極楽浄土へ近づけると信じられていたのです。お彼岸に墓参りや法要をおこなうのは、その風習の名残といえます。
お供え
お彼岸のお供え物の定番といえば、お餅をあんこで包んだおはぎを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。おはぎをお供えするのは、「あんこの材料である小豆に魔除けや不老長寿の願いが込められているため」という説が有力だそうです。中国では古くから、赤色には邪気をはらう力があるとされており、日本でも赤色には特別な力があると考えられてきました。そのため赤色をした小豆は縁起がよい食べ物とされ、お彼岸にあんこを使ったお餅がお供えされるようになったのです。
ちなみに、おはぎと似た食べ物に、ぼたもちがあります。どちらもお彼岸にお供えする食べ物ですが、「ぼたもちは春のお彼岸」に「おはぎは秋のお彼岸」にお供えするという違いがあります。春のお彼岸にお供えするぼたもちの由来になっているのは、春の花である牡丹です。秋のお彼岸のお供え物であるおはぎの名前は、秋の七草のひとつでもある萩の花にちなんでいます。さらに、おはぎとぼたもちは形にも違いが見られます。大輪の花を咲かせる牡丹に似せてぼたもちは丸く大きく作るのが一般的です。それに対して、おはぎは細長い花びらを持つ萩の花をイメージして俵形に作ります。このようにお彼岸の季節に美しく咲く花になぞらえたものをお供えして、ご先祖様を供養しているのです。
大切な方を想いながら、穏やかな時間となりますように。
