葬儀や法要で使用される「数珠(じゅず)」は、仏教の儀式において重要な役割を果たす仏具です。
故人を偲び、心を込めて祈りを捧げるための道具として、数珠には深い意味が込められています。
数珠の意味と「108」
数珠は、仏教において念仏を唱える際や、心を落ち着けて祈りを捧げる際に使用されます。
数珠の珠は、ひとつひとつが祈りを象徴しており、珠を指で数えながら、心を整えます。
その数は108個であることが一般的です。(ただ現代では使用しやすい様に108個の半分の54個や
3分の1の36個など数を減らした物が多くなっています)
この108は、仏教における「煩悩」の数に由来しています。
仏教では、人間の煩悩(欲望や執着)が108種類あるとされ、この数珠を一珠ずつ数えながら念仏を
称えることで、その煩悩を取り払うと信じられています。葬儀や法要で数珠を使うことにより、
故人の冥福を祈ると同時に、自分自身の心も清め、煩悩を超越するという意味が込められています。
数珠の種類
数珠には、宗派や用途に応じたさまざまな種類があります。
葬儀や法要の際に使われる数珠の種類としては、主に以下の2つがあります。
- 本式数珠(ほんしきじゅず)
宗派ごとに決められた珠の数や形、房の色や形状があり、正式な数珠として使用されます。浄土宗、真言宗、曹洞宗など、各宗派で異なるため、宗派に合わせて選ぶことが大切です。 - 略式数珠(りゃくしきじゅず)
宗派に関係なく使用できる汎用的な数珠で、特に宗派を問わずに使用できるため、葬儀や法要の際にもよく使われます。珠の数やデザインもシンプルで、初めての方にもおすすめです。
数珠の使い方
数珠は、葬儀や法要で心を込めて故人を供養するために使います。
数珠を左手にかけ、両手を合わせて合掌する際には、胸の前で数珠を持つのが一般的です。
房(ふさ)は下に向けて持つようにし、念仏やお経を称えることで、心を落ち着け、煩悩を超えて
平穏な心を保つことができます。
数珠の選び方
数珠を選ぶ際には、宗派や使用シーンを考慮することが大切です。
正式な葬儀に参加する場合、宗派に合った本式数珠を選ぶことが重要です。
略式数珠は、どの宗派でも使えるため、初めての方でも安心です。
また、数珠にはさまざまな材質があり、黒檀、紫檀、水晶、念珠玉などがあります。
用途や自分の好みに合わせて選ぶことができますが、心を込めて使用することが最も大切です。
