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最後の旅立ちを大切に

北陸地方の葬儀と災害

お花ではなく果物を供える?

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石川県といいますか、北陸地方独特なお葬儀の風習などありますか?

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北村

はいございます。親戚の方がお葬儀のお供え物でお花を出すことが一般的かと思うんですけど、

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祭壇の左右などに置いてあるお花の事ですね。

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北村

そうです。それらが、お菓子の籠や、果物の籠だったりする場合があります。

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お花でなく果物!どことなく、お見舞いの際に持参する果物セットのようなイメージですか?

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北村

はい、そういうイメージに近いと思います。北陸地方、富山とか福井もそうなのかな、お菓子や果物籠を出すことが一般的におこなわれています。

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お花などは通常お花屋さんに依頼すると思うのですが、お菓子籠や果物籠は何処に頼むのですか?

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北村

専門の業者さんが居まして、そうした所に注文しています。菓子盛とか、果物盛といいます。

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様々なサイズの菓子盛や果物盛をお願いできる業者さんが居るのですね。面白いです。

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北村

似たようなことでは、能登の方だったと思いますが、缶ジュースやコーラのお供えなども見たことがあります。

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コーラのお供えですか!それは、故人が生前好きだったものをお供えしている訳ではないのでしょうか?

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北村

そうですね、お花などのお供えの一種であると思います。

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そうした食べ物のお供えは、旅立つ故人の為に捧げるお食事のようなイメージなのでしょうか?

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北村

供花と同じ意味で考えれば、故人や遺族に対する弔意(人の死を悼む気持ち)を表現しているといえます。そのため、葬儀後は小分けにし、親戚やお手伝いの方々で分けて持ち帰っていただきます。

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なるほど。

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北村

食べ物をお供えし、それを持ち帰り食べることによって供養する的な意味合いもあるのかな。宗派や地域によって扱うものが違いますが、考え方は同じような気がします。

お焼香代100円?

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他に地域独特の風習はありますか?

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北村

最近はずいぶん見かけなくなったと思いますが、お焼香ってありますよね。

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香を焚いて、参列者一人ひとりで拝むもののことですよね。

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北村

そうです。そのお焼香をあげる時に、御香代として100円玉を置いてお焼香する風習があります。

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一人ひとりが100円玉を置いて、お焼香をあげるのですか?

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北村

助け合いの意味合いなのでしょう。能登とか、富山で見られます。今も能登とかの人がお参りに来ると、お焼香時に100円玉が置いてあったりします。私どもの地域(能美市)ではないですけども。

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葬儀は地域で助け合って行う。という昔の葬儀の形の名残りなのでしょうか?

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北村

そうですね。最近は喪家さんが一括でお寺さんへ焼香料を納めていますので、出さなくていいですよと案内を掛けていますので、だんだん見かけなくなった風習です。

能登半島地震を経験して改めて思うこと

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最後に今年(2024年)元旦の災害(能登半島地震)を身近に経験されて、感じたことがあれば伺っておきたいです。

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北村

ニュースでご存知の通り、被災した現地では火葬場が使えなくなって、お葬式を年明けにする予定だった人が結局何日も火葬できずにいたので、我々も例えば珠洲までお迎えに行って、こちらに戻って火葬式をあげさせていただいたりしていました。

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火葬場や葬儀場も被災してご利用できなかったのですね。

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北村

はい。現地のお寺さんも来られる状況では無かったので、本当にご家族だけで火葬をするだけの最小限のお式でした。

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本来あげたかったお葬式ができなかったご家族は、落ち着いたらまた地元でしっかりあげようと考えていたりするのでしょうか?

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北村

当然、そういう気持ちのご家族は居られると思いますけど、本当に全部家がなくなってしまった方などは、まだまだそれどころではないといいますか。

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そうですね、安易な発想でした。(取材時は2024年3月)まだまだ、大変な状態が続いているのですよね。

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北村

そうですね。ただ、そうした経験が身近で起こったため、お通夜など北陸では24時間ろうそくと線香を絶やさずに灯すのですが、余震が落ち着くまでは、火事になってもいけないので消してくださいとご連絡をさせて頂いています。

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身近にいるからこそ、そうしたフォローや心配りができますね。

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北村

お写真だったり、家族の意思だったり。特に災害時は事前に我々のような葬儀会社とつながっていれば、迅速なフォローやアドバイスができますし、ご家族の状態に合わせてサポートしていきたいと思っています。

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災害を考える点では、より一層事前相談の大切さを感じますね。

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北村

どうしても忙しくなる時間の中で、お別れする時間は大切にして欲しいので、本当にどんなことでも構いませんので事前のご相談をお待ちしています。

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本日は本当にいろいろなお話ありがとうございました!

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北村

はい、ありがとうございました。

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北村さんのインタビューはこれで終わりです。

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