メモリアルコーナーでの内容をご提案される時は、どのようにご案内されているのですか?
田村
当然始めからご家族の意向があれば、そのご要望を叶える形でご準備してまいりますが、ご提案の必要な場合は、ご自宅へ伺った際に、ご安置されているお部屋だとか、玄関まわりを観察します。
なるほど。
田村
例えばご安置されているお部屋などに、故人の表彰状が飾られている場合、何に対しての表彰なのか理解し、その事をご家族様に質問すると、ご家族様も故人の優れた面を自慢されるので、「じゃあ、お葬儀される時に故人様の大事にされていたものをお披露目する場所を設けませんか?」、「何かご遺族さんでそういったものをお持ちじゃないですか?」という切り口で提案しますと、「ああ、ああいうものがあるな、こういったものがあるな」「こういったものを飾ってほしい」等、どんどんアイデアが出て自然と決まっていきます。
なるほど、切り口を示してあげると自然と思い出が出てくるのですね。
田村
そうですね。最初にこちらから、あれ出して、これ出してとお願いしても、忙しい中でご遺族さんも「面倒だな」と思ってしまって準備されるよりは、「ああ、お父さんのこういった所が凄かったから、皆さんにも是非見ていただきたいわ」とかそういう気持ちになっていただいたうえで、できるだけ時間を作って準備しようと能動的に動いていただくほうが、やはりご遺族さんが最終的に満足のいくお葬儀ができたという気持ちになるので、
自ら積極的に葬儀に参加されていると、その想いも違いますね。
田村
そうした心持ちを持って貰えれば、私達は、まず場所を設けるのが第一優先、そして、お預かりしたものをどう見せるか、というのは飾るセンスの問題になるので、そちらはしっかり責任もって準備させていただきます。
飾りつけは、一般的に葬儀会社で考えられるのですか?
田村
いえ、できるだけご家族で行えるのであればお願いします。ご家族とか、お孫さんが自分たちで準備するのも一つの思い出になりますので。
思い出づくり。なるほどですね。
田村
ご遺族が「自分たちでしたい」ってなれば、「あ、じゃあ100均ではこういったものがありますよ」とフォローするようにします。
ご遺族が故人を送るためにどれだけ労を惜しまないか、準備していただけるか。が「良い葬儀だった」と思っていただける要素になってゆくと。
田村
その通りです。メモリアルコーナーでの準備を通して話された故人への思い出話が、より故人に対する感謝にもなるので、葬儀が更にもっと良くなると感じています。
そうですね!
田村
自分たちで葬儀を作りあげてゆく部分は大切にしてあげたいと考えています。
メモリアルコーナーにおける、ご家族と葬儀会社とのやり取りの中でも、大切にしたい部分がありますね。今回はいろいろと貴重なお話ありがとうございました!
田村
はい、ありがとうございました。お疲れ様でございます。
田村さんのインタビューはこれで終わりです。